【勝手に主題歌】Call me
是非call meを聴きながらお読みください。
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コップの中の氷がカランと音を立てた。
机の上はコップが汗をかいているせいでぐしょぐしょだった。
「やっぱり来ないかぁ。」
彼女はそう独りごちるとストローでコップの中の黄色い液体をかき 混ぜた。
炭酸だったはずなのに、しゅわりと音もしない。
”もう終わりなのかな”
店内に流れる歌詞がやけに彼女の耳に大きく聞こえた。
__終わっていたことはとっくの昔に気がついていた。
でも気がついてしまったら終止符を打たなければならないことも知 っていた。
永遠がほしい。
もういい歳の大人なのに、永遠をくれと駄々をこねたくなる。
永遠とは、どの定義を持って永遠となるのだろう。
時が永遠と続く中で、人生という長いようで短い時間の中で、 何をクリアしたら永遠となるのだろう。
「だからやめろって言ったでしょうが」
例えば、炭酸の抜けたメロンソーダを飲んでうへえ、という顔をしたこの幼馴染は。
小さな頃からずっと一緒で、社会人になってもこうして私のことを気にかけてくれ、小姑のように口うるさいことを言ってくる幼馴染は。
永遠というカテゴリにいれてもいいのだろうか。
「10分経ったらひとまず電話しなさいって。どこの馬鹿が1時間も1人で待ってるのさ。お店にも迷惑かかるよ。」
彼の瞳の奥で、見知った炎が見える。そっと目を逸らせば、店内のBGMが変わって男の人の切ない声が聞こえた。
"call me girl"